「自分だけは大丈夫!」と外出自粛しない人がいるワケを心理学的に説明

2020年4月22日

こんにちは、ごんごんです。

新型コロナウイルスの感染拡大が継続しており、非常事態宣言が全国に適用されています。
多くの人は外出を自粛し、日用品の買い物などの最小限で済ませているのではないでしょうか。

そんななか、新聞やニュース、インターネットでは若者を中心に「根拠はないけど、自分は大丈夫だと思う」と悪びれずに外出している人が少なからずいることも報じられています。

当然ながら、「自分だけは大丈夫」という根拠は全くないのですが、この現象は心理学で説明ができます

ラトガーズ大学の研究

米国にあるラトガーズ大学のネイル・ウェインステインはこの「自分だけは大丈夫」という心理に関する研究を行いました。

ウェインステインは大学生258名を対象として、「将来、家を所有している可能性はどれくらいあるか」というようなポジティブな質問と、「将来、お酒の問題を抱えている可能性はどれくらいあるか」等のネガティブな質問をしました。
同時に、「自分以外の学生が将来それらの状態になる可能性がどれくらいあるか」という質問をしました。

結果は、ポジティブな出来事は他人よりも自分のほうが起きる可能性が高く、ネガティブな出来事は自分よりも他人の方が経験する可能性が高いと考えていることが明らかになりました。

以下が、その結果をまとめたグラフです。

Neil D. Weinstein, "Unrealistic Optimism About Future Life Events", Journal of Personality and Social Psychology
1980, Vol. 39, No. 5, 806-820

オレンジ色の「好きな職業に就く」や、「自分の家を持つ」というポジティブな出来事は他人よりも自分が経験する可能性が高いと思っていることがわかります。
逆に、緑色の「飲酒で問題を抱える」、「自殺願望を持つ」などのネガティブな出来事では、自分よりも他人の方が経験する可能性が高いと感じています

この実験から、人は自分のことを楽観的に考えてしまうということがわかります。
こうした認識の歪みのことを「バイアス」といいます。

また、この実験について心理学者の内藤誼人氏は、次のように述べています。

「私たちは、あまり不愉快な現実を考えたくはありません。気分が悪くなるようなことは、考えないようにするか、歪めて解釈しようとするのが私たちの心のメカニズムなのです。」

内藤誼人「すごい心理学」(2019年、総合法令出版)

上の本については、下記の記事で紹介しています。

まとめ

心理学の実験で、人間は「自分だけは別」だと思い込みをしてしまうことが明らかになっています。
逆に、こうしたバイアスがかかるということを知っていれば、適正な行動を取ることが可能になります。

さて、新型コロナの猛威はまだ収まっていませんが、「自分だけは別」だと思わずに慎重な行動を各人がとりましょう。