あなたが生涯で100人の異性とデートできる場合、誰を伴侶に選ぶか?秘書問題を考える

2020年6月10日

こんにちは、ごんごんです。

あなたがもし生涯で100人の異性とデートする権利をもっているとすれば、誰を伴侶に選びますか?
ただし、100人とは順番にデートをし、次の異性とデートを選択すると以前デートした異性には戻れず、伴侶を選んだ時点でそれ以降に控えている人とは会うことはできません。

非常に悩ましい選択になるかもしれませんが、現実に結婚をする人は似たような選択をして伴侶を選んでいると思います。
実はこうした問題は「秘書問題」と呼ばれています。
今回はこの秘書問題を数学的な観点から考察し、最適な選択をする確率の最大化を目指します

秘書問題の概要を説明

秘書問題とは、以下のような問題です。

・秘書を1人雇いたいと考えており、募集をかけたところ、n人が採用に応募してきている
・秘書の能力はn人ともバラバラ(重複なし)
・面接は1人ずつ、無作為の順番で行う
・1人を面接するごとにその人を採用するか否か判断する
・その人を採用すると判断した場合は、それ以降の応募者とは面接しない
・採用しないと判断した場合は、次の応募者の面接に進み、以前に面接した応募者を採用はできない
・上記の条件の下で一番優秀な秘書を採用することが目的

現実にはn人と面接してから決めればいいんじゃないかというツッコミもありそうですが、あくまで仮定の話なのでご容赦を。
一度採用を決めてしまったら、それ以降の応募者には面接ができないというのがポイントで、どこで打ち切るのかという「最適停止問題」という分野になります。

具体的に考える

冒頭の話では、n = 100としていましたので、一旦100人で考えてみましょう。
100人の中からの秘書の採用と、100人のデート相手から最良の伴侶を見つけるというのも数学的には同じことです。

文章では少しわかりにくい箇所もあるでしょうから、図を用いて説明していきます。

パターン①:決定が早すぎるケース

まずは、決めるのが早すぎるケースについて考えてみましょう。

秘書問題に置いて決めるのが早すぎるケース
決定が早すぎるケース

上の図では、5人目で決定をしています。
1~4人目に対し、5人目は5人の中では最も順位が高かったため序盤で決めにかかっています。
この場合、後の95人には会うことができず、最良の伴侶(1位)を見つけるという目的を達成できなかったということになります。
(観測できないものは存在しないと考えると、本人が納得しているなら問題ないですが)

パターン②:決定が遅すぎるケース

次は決定するのが遅すぎるパターンを見ていきましょう。

秘書問題で決定が遅すぎるパターン
決定が遅すぎるパターン

この場合は、以前に1位の人と巡り会えているのですが、その時点では最適と判断できずにスルーをしてしまっています。
1位の人以降は、上回る人を探しているのですが当然見つからず残り数人となった時点で妥協をしてしまう結果になります。
まさに後悔先に立たずという感じです。

秘書問題の最適戦略:最初の36人はスルー

結論を先に述べると、100人とデートをする場合は最初の36人はスルーし、37人目以降の人について今までで最前の人を選ぶのが最もよい戦略となる。

秘書問題の最適戦略
36人目まではスルーし、以降で一番いい人に決定する

36人とデートを行いますが、仮にどんなに素晴らしいと思っても決定はしません。
この図では、36人の中で最も優秀な人は3位ですが、以降はこの3位の人がアンカー(基準)となりその人を上回る人が現れたら決定します。
つまり、37人目以降に1位か2位の人が現れたら即座に決めることになります。

カンが言い方はお気づきかもしれませんが、36人の中に1位の人が含まれていた場合はスルーをしてしまうどころか、その人に引きずられてスルーを続けることになります。
あくまで確率の最大化であり、完璧な戦略ではありません。

定量的に評価する

結論を先に述べていましたが、最後に定量的な計算をしておきます。

まず最適停止問題であるので、何人目までスルーすると最も魅力的な異性を伴侶にできる確率が最大になるかを考えます
スルーする人数を$r$人、最も魅力的な異性を伴侶にできる確率を$P(r)$とおくと、$P(r)$は次のように表されます。
また、一般化するために100人ではなく、$n$人としておきます。

$$ P(r) = \sum_{i=r}^{n} \frac{1}{n} \frac{r - 1}{i - 1} $$

ここで、$n$が無限大に近づくとし、$r/n = x$、$i/n = t$、$1/n = t$とすると、$P(r)$は下記のような式で表現できます。

$$P(r) = x\int_x^1 \frac{1}{t} dt = -x\log x$$

これを微分することで、$ x = \frac{1}{e} $ のとき、最大値を取ることがわかります。
すなわち、$n$に対して$\frac{1}{e} = 0.368$の割合だけスルーして、それ以降で今までの中で最も魅力的な人を選ぶことが最適であることがわかりました。

まとめ

この記事では、100人と生涯でデートする場合に、最良の人を伴侶に選ぶ確率を最大化する戦略を説明しました。
概要は以下です。

・序盤の36人とはデートするが決定はしない。
・37人目以降は今までデートした人を上回った時点で決定をする。

人生においては何人の異性とデートできるかわからないですし、人の記憶は曖昧なものですが、数学で考えるとたのしいですね。
少しでも参考になれば幸いです。

雑記数学

Posted by gongon