野球と統計学の融合!セイバーメトリクスと代表的指標のOPSとWHIPを解説

こんにちは、ごんごんです。

みなさん、野球は好きですか?
私は野球が大好きで、高校野球やプロ野球観戦が春~秋のもっぱらの楽しみです。
新型コロナの影響で今年は心に穴が空いたようで、同じ気持ちのみなさんも多いと思います。

そこで、野球の観戦はできませんが、野球を見る際に楽しみが増えるようにセイバーメトリクスの話をします。
後述しますが、セイバーメトリクスは野球と統計学が融合した分野で、代表的な指標としてOPS、WARなどがあります。

これらを知っていると、ひいきのチームや選手の分析が捗りますので、ぜひマスターしてみてくださいね。

セイバーメトリクスとは?

セイバーメトリクスとは、野球における様々な指標を分析し、チームの戦略や経営を効率よく立てていこうとする測定法や指標です。
セイバーとはアメリカ野球学会(Society for American Baseball Research)の略称であり、これを測定(メトリクス)するという意味です。

野球が好きな方は、打率や防御率、出塁率、長打率などの単語の意味は知っているかと思います。
これらは、選手やチームの成績を表現するための単純な統計学的指標で、シンプルなため非常に理解がしやすいと思います。

しかし、近年統計学の発達や、野球データの蓄積がすすんだことで、打率や防御率などの指標よりも選手の能力を示すことができる指標があるのではないかという議論が進み、新しい指標が多く開発されています。
代表的なものが打者ではOPS、UZRなどで、投手ではQSやWHIPなどの指標です。

セイバーメトリクスの歴史

セイバーメトリクスが生まれたのはアメリカです。
1970年代ころから、メジャーリーグではデータを駆使した戦術や采配が模索され始めます。

セイバーメトリクスを駆使した代表例としてよく語られるのが、アスレチックスです。
1990年代に成績が低迷していたアスレチックスは、優秀な選手を獲得する資金もなく、低予算で勝てるチームを作る必要がありました。
彼らはセイバーメトリクスを使って、そのころほとんど注目されていなかった出塁率がチームの得点を大きく向上させることをつきとめました
そこで、打率は平凡でも選球眼がよく、出塁率が高い選手を低年俸で積極的に獲得を進めていきました。
その甲斐あって、2000年代には地区優勝やプレーオフ進出を複数回果たすという快進撃を成し遂げることができました、

このアスレチックスの話は、「マネーボール」という名前で書籍化されています。
新任GMのビリー・ビーンが統計を駆使して改革していき、結果を出していく様子は鳥肌がたちます。

マイケル・ルイス (著), 中山宥 (翻訳)

アスレチックスの成功などを背景に21世紀では様々な指標が考えられ、日本でもOPSなども浸透してきているように思います。

代表的な指標のOPSとWHIPを紹介

セイバーメトリクスの指標は、日々開発されているためここでは一気に紹介が難しいですが、最近良く目にするようになったOPSWHIPをここでは紹介したいと思います。

打者の得点能力を評価するOPS

打者の得点能力を評価する指標として、セイバーメトリクスによって生み出されたのがOPSという指標です。

OPSの算出方法は、長打率と出塁率の合計です。
ここで簡単に長打率と出塁率の説明をしておきます。

長打率

長打率とは、単打をヒット1本分、二塁打をヒット2本分、三塁打をヒット3本分、本塁打をヒット4本分に換算(加重平均)した打率のことです。

長打率 =(単打×1 + 二塁打×2 + 三塁打×3 + 本塁打数×4)/打数

チームの長打率と得点の相関関係は非常に高く(0.91)、チーム打率と得点の相関(0.81)よりも大きいことがわかっています。
つまり、チームの得点力を上げるには打率よりも長打率を重視した方が良さそうです。

出塁率

出塁率は、安打・四死球で出塁する確率です。

出塁率 = (安打 + 四球 + 死球)/(打数 + 四球 + 四球 + 犠飛)

犠飛が分母に入っているのは、ランナーがいなければ凡打に等しいということで打数にカウントしています。

チームの出塁率と得点の相関は0.86と打率の相関0.81よりも高くなっています。
つまり、チームの得点力を上げるには出塁率を上げたほうがよさそうです。

OPS

これらの打率よりも得点力に関係がありそうな長打率と出塁率ですが、この2つを足したらもっといい指標になるんじゃないかという発想で生まれた(?)のがOPSです。

チームのOPSと得点の相関係数は0.95と、非常に高くなっています。
普通にデータ分析していてこんな高い相関が出ることはほとんどないので、OPSが得点力を表現するためにいかに優秀な指標かわかりますね。

打者の指標では、打率、本塁打数、打点が主な指標で、それぞれの最優秀者にタイトルが与えられ、全てにおいてリーグ首位だった場合は三冠王のタイトルが授与されます。

野球論議で首位打者と本塁打王はどちらがすごいかというのはよくされる話ですが、打率と本塁打数は計測方法が違うので議論は平行線になりがちです。
2019年のセ・リーグでも新人最多安打の阪神・近本と、本塁打を量産したヤクルト・村上のどちらが新人王を取るかが注目されました。(ちなみに結果として新人王を獲得したのは村上です)

OPSを利用すれば、打者としての得点能力をアベレージヒッターとパワーヒッターで比較することが可能です。
一方で、OPSはまだその歴史の浅さから公式タイトルはありません。
今後、その重要性が認められて首位打者や本塁打王、打点王などについで、OPS王も登場するかもしれませんね。

投手が許す出塁率を表すWHIP

WHIPとは、「投手が1イニングあたりで許す出塁数」です。

WHIP = (被安打 + 与四球)/投球回数

死球、失策は含まれていません。

当然ですが、背負うランナーの数が少ないほど、失点が少なくなります。
先発投手であれば、この値が1.2以下であれば優秀だとされるようです。
また、投球回数が先発よりも少ない中継ぎや抑えなどの評価にも適しています。

まとめ

この記事では、アメリカで発展してきたセイバーメトリクスの概要を説明しました。
セイバーメトリクスを使えば、従来評価されていない低年俸の選手が実は優秀だったということがわかったり、永遠の問題であるアベレージヒッターとホームランバッターどっちがすごいかという比較も可能です。

しかし、あくまでセイバーメトリクスの指標も改善を続けており、OPS1つで打者の能力をすべて語れるわけではありません。
私の好きな新庄剛志選手は、記録よりも記憶に残る選手と言われています。
記録だけでなく、選手の姿勢やキャラクターというのも引き続き重要なことには変わりないでしょう。

ちなみに、セイバーメトリクスについてのもっと詳しい解説は「勝てる野球の統計学」などがオススメです。

鳥越 規央 (著), データスタジアム野球事業部 (著)