元本はいつ2倍になるか?「72の法則」と計算方法を考える

こんにちは、ごんごんです。

今日は、「手持ちの資産を2倍にするためにはどれくらいの利回りで、何年かかるか」という計算に便利な「72の法則」について執筆します。
また、2倍だけでなく、3倍や4倍についても説明していきます。

「72の法則」とは?

例えば、資産を4%複利で運用すると、どれくらいの期間で2倍になるのか気になりませんか?
72の法則」はそういう場合にぴったりで便利な法則です。
上記の例のように金利が4%の場合、72 ÷ 4 = 18となり、およそ18年で資産が2倍になることがわかります。

同様にして、2%の場合は36年、3%の場合は24年、6%の場合は12年ということが一瞬で導けます。

正攻法で計算をしようとすると、電卓が必要になる上に、かなりの回数叩かなければいけません。
しかし、72の法則を知ってさえいれば簡単に目安となる年数を計算できます。

逆に、10年で手元の資産を2倍にしたいと計画している場合は、年利7.2%で運用をしなければいけないということもわかります。

ちなみにですが、この法則は15世紀末に既に存在していたようです。

文献上の初出は、イタリアの数学者で、「会計の父」とも呼ばれるルカ・パチョーリが1494年に出版した『スムマ』と呼ばれる数学書である。

Wikipedia「72の法則」(https://ja.wikipedia.org/wiki/72%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

なぜ「72の法則」が成り立つのか?

生きていく上では、「72の法則」の中身だけを知っていればいいのでしょうが、「なぜ成り立つのか?」と気になる人もいるでしょう。
高校数学レベルで簡単に計算ができるので、やってみましょう。

金利を$i$(%)として、資産が2倍になる年数を$n$とおきましょう。
すると下記の式が成り立ちます。

$$( 1 + i / 100)^n = 2$$

両辺に対数を取ると、$n log( 1 + i / 100 ) = log 2$となり、
さらに金利$i$は1より十分に小さいため、$log ( 1 + i / 100 ) fallingdotseq i / 100 $が成り立つことに注意すると下記のように整理できます。

$$ n * ( i / 100 ) = log 2 = 0.69315$$

よって、元手が2倍になる年数$n$は、$ n = 69.315 / i$となります

つまり、本来は「72の法則」ではなく、「69の法則」であるべきです。
なぜ69から72になったかについては、おそらく72の方が約数が多く計算しやすいからでしょう。
(ちなみに、72は約数の総和が、自身よりも大きい「過剰数」という整数です。)

「72の法則」はどれくらい正しいのか?

ここまで説明してきて、「72の法則はどれくらい正確なのか?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
結論を先に述べると、かなり正確な予測が可能です。

下の図は、横軸に金利(%)、縦軸には元本が2倍になる年数をとったグラフです。
オレンジの実線が「72の法則」で計算した値、緑の点線が実際に必要な年数(理論値)になります。

「72の法則」はどこまで正確なのか
「72の法則」はどこまで正確なのか?
筆者が計算

グラフを見ると、ほとんどの領域で72の法則と理論値が一致していることがわかります。

念の為、金利1%刻みで表を作りました。(上のグラフと同じです)

この表を見てもほとんど誤差に近いと言っていいレベルで理論値に近くなっており、日常の計算で使うには十分でしょう。
金利が小さい場合は少し値がずれていますが、これは上で説明したように本来は「72」ではなく、「69」だからかと思います。
また、金利が10%を大きく超えた場合も乖離が大きくなりますので注意が必要ですが、10%以下の金利の場合には「72の法則」が有効だとわかります。

元手を3倍、4倍にするには何年かかる?

先程は元本を2倍にする場合を考えましたが、3倍、4倍ならどうでしょう。
実はこの場合も法則があり、それぞれ「114の法則」、「144の法則」があります。

こちらも同様の計算で簡単に年数を求めることができますが、「72の法則」に比べて少し誤差は大きくなってくるのでご留意を。

まとめ

この記事では、元本が2倍になる年数を求めるため「72の法則」を紹介しました。
概要は下記です。

・元本が2倍になる年数を求めるためには、72を利率で割ればよい(72の法則)
・例えば、4%の利回りで運用すれば18年で元本が2倍になる
・「72の法則」の精度はかなり高いため、日常の計算では十分

少しでも参考になれば幸いです。