損保業界の中の人が国内大手損保の職種を簡単に説明する

2020年9月1日

こんにちは、ごんごんです。

本日はDMでも就活生から質問があった、国内大手損保の職種について簡単に説明をしていきたいと思います。
ざっくり分けると、国内大手損保において職種は営業部門、保険金支払部門、内勤部門の3つに分かれます。

営業部門:基本は代理店営業

大手損保の営業は、基本的には代理店営業の形態をとっています。
直接個人のお客様にアプローチをすることはほとんどなく、代理店のネットワークを通じて個人のお客様に保険を加入していただくというビジネスモデルです。

国内生命保険のいわゆる生保レディや、外資系生命保険のフルコミのバリバリの営業マンを抱えているわけでもなく、ネット損保のように直接インターネットを通じて保険の募集をしているわけでもありません。

この代理店の特性によって、営業部門はさらに①一般店営業、②自動車営業、③企業営業の3つに分類されます。
また、代理店と直接やりとりするフロント担当と、オフィスで事務処理をするバック担当がいますが、両方とも営業部門としています。
下記に書いているのは一般論で、地域の特性や代理店ごとに大きく異なることにご留意ください。

一般店営業:多種多様な代理店、保険種目を担当

一般店営業というのは、下記の自動車営業や法人営業に当てはまらない代理店を担当します。
町の自動車工場から、小規模な自動車ディーラー、ショッピングモールに入っているような保険ショップ、保険事務所、不動産業者のようなところまでかなり広いチャネルの代理店を扱います。
代理店の数が多いため、一般店営業の事務所は各都道府県に数か所程度置かれていることが多いです。

町の自動車工場や保険事務所のようなところでは高齢化や後継者不足による廃業が結構起こっており、一般店の増収は難しいイメージです。
保険のプロ代理店は当然保険の知識や、システムスキルが高いのですが、保険が専業でない代理店が多い事に加え、小規模な分、代理店の頭数が多いためシステム改修時などではかなりの負担になります。
最近は改善されてきたようですが、保険募集の際の現金決済も以前はかなり多く、集金などの必要もありました。

また、自動車保険や火災保険だけでなく、新種保険や生命保険も目標があるため、幅広い保険種目の知識が求められます。
さらには、ゆくゆくは自社の専業代理店として活躍してもらうための研修生採用などのノルマもあり、一般店の名に違わぬ広範な対応が求められます。

自動車営業:自動車ディーラーを担当、自動車保険メイン

自動車営業は、自動車ディーラーを担当する営業部署です。
自動車ディーラーとは、自動車メーカーの新車を扱っている企業で、例えば「トヨタモビリティ東京」や「ホンダカーズ東京」、「東京日産」などです。

自動車ディーラーは、自動車メーカーから新車を販売する権利を委託されて、特定の地域内での新車(+中古車)の販売を担います。
上記で、「トヨタモビリティ東京」という会社を例示しましたが、同社の販売は基本的に東京都内のはずで、埼玉県では「埼玉トヨタ自動車」、「埼玉トヨペット」などの会社が別にあります。
つまり、各都道府県にメーカー毎の販売会社(ディーラー)がだいたい1つ以上存在しているため、各都道府県ごと(広い場合は複数)に自動車営業が置かれています。

基本的には、自動車ディーラーの顧客に対して、自動車保険を販売してもらう支援を行います。

国内大手損保各社の知人に聞いても、自動車営業が最もハードであると評する声が多いです。
その理由は以下のようになります。

  • ディーラーでの自動車保険加入が増加傾向にあり、各社とも競争が激しい
  • 一般店営業に比べて自動車ディーラー代理店は複数の保険会社を扱っている(乗合)ため、他社との競争が激しい
  • 土日が繁忙のため、土日に問い合わせの電話がよく鳴る
  • ディーラーにとって保険募集は副業のため、保険会社社員に負担がかかりやすい

各社競争が激しいので、差別化しにくい保険商品でなく、土日も電話対応するといったあまり良くない方向の努力が多く見受けられる印象です。
少しずつ時代の流れに乗って変わっていくと思いますが、「気合と根性」が必要な営業部門です。
ちなみに、自動車営業のことを「自営」と呼びますが、よく自衛隊をもじって、「自営隊」と呼びます。

企業営業:ある程度の規模がある法人を担当、多様な保険種目を扱う

企業営業はその名の通り、企業相手の営業です。
とはいえ、一般店営業や自動車営業も対企業であることがほとんどであり、簡単に言うと金融企業やメーカーを始めとしたある程度の規模がある法人を相手にした営業です。

相手先の企業の所有している自動車や建物への保険だけでなく、物流に際しての海上保険、職員への団体保険などの福利厚生を含めた提案なども行います。
一般店営業や自動車営業はいわゆるパッケージ化された商品を販売しますが、各企業向けにカスタマイズした保険を販売することもしばしばです。

グローバル企業も対象となるため、営業先によっては英語などの外国語を使用する場合もあります。

営業の花形的な部門であり、基本的には大都市での勤務がほとんどですので人気があります。
専門性が求められることもあり、配属年数が長かったり関連部署のローテーションが多く、営業エリートが配属されている印象です。

保険金支払部門:契約者の支援や相手方と交渉

保険金支払部門は、保険契約者に何かしらの保険事故が発生してしまった場合に契約者に寄り添って、相手との交渉や修理の手配、支払い作業を行う部門です。
大きくは自動車の支払部門、火災新種の支払部門に分かれます。

ここでは大多数を占める自動車の支払部門について概要を説明します。
自動車保険の支払いについては、契約者自身の車に対する車両保険、身体に関する人身傷害保険や、相手がいる場合には対人、対物保険などの種目に分かれています。

担当によって、車両保険や対物保険というモノを扱う担当者と、自身や相手のケガなどを扱う人身の担当者に分かれていることが多いです。

自身の車やケガについては、予め定められた約款に基づいて支払いを行うのですが、相手の車やケガについては相手との交渉が必要になります。
基本的には自動車と自動車の事故の場合、双方に過失(責任)が生じるので、お互いの過失割合について合意し、示談をしなければ支払いが完了しません。
事故の当事者はそれぞれの主張があるので、お互いの落とし所を見つけるために契約者の意向に沿いながら、迅速に事故の支払いを完結させます。

契約者と直接やり取りをする場合もあれば、代理店の担当者を通じてやりとりをする場合もあります。
また、相手方にも直接連絡する場合と、相手の保険会社と交渉を行うパターンがあります。

保険金支払いはお金が絡むので特に相手との交渉がエキサイトしてしまうこともありますが、契約者の意向に沿った支払いが完了した際には非常に感謝されます。
直筆の手紙が届いたり、本社のカスタマーセンターに名指しでお礼の電話が入ったりすることもあり、担当者冥利につきます。
前述したように営業は代理店を経由しますので、お客様と直接接点がある点が特徴です。

内勤部門:多種多様な部門が存在

内勤部門は、社内で企画や事務などの作業をする職種です。
人員は本社が多いですが、地方中核都市にも内勤部門の人が配置されていることが多いと思います。

内勤部門は経営企画や総務、経理、人事、広報、IT関連など業界限らず存在する部門と、損害保険特有のリスク管理部門、商品開発部門など多岐にわたっています。
ちなみにアクチュアリーは、ほとんど内勤としてのキャリアを歩むことになり、商品開発やリスク管理などの部署に就くことが多いです。

まとめ

国内大手損保の3職種を紹介しました。

  • 営業部門は、代理店を通じて契約を増やす部門
  • 保険金支払部門は、契約者におきた保険事故を迅速に、かつ契約者の意向に沿って支払う部門
  • 内勤部門は、本社を中心とした事務や企画を行う部門

少しでも参考になりましたら幸いです。

雑記損保

Posted by gongon