野球の状況別期待値を知ると、野球観戦が捗る件

2020年5月12日

こんにちは、ごんごんです。
先日セイバーメトリクスの記事を書きましたが、今回は野球の状況別得点期待値の話を書きます。
野球の得点期待値がわかっていると、野球観戦の際にいつもと違う観点で分析ができるので楽しさが倍増しますよ!

塁別の得点期待値とは

塁別の得点期待値とは、その状況では平均して何点が獲得できるかという数字です。
例えば、0点の確率が50%、1点が30%、2点が20%という確率で表されるなら、その状況での得点期待値は、

0×0.5 + 1×0.3 + 2×0.2 = 1.1点

となります。

この状況下では、平均して1.1点が入るということです。

日本プロ野球の2004年~2013年得点期待値

私の手元にある、「勝てる野球の統計学 セイバーメトリクス」によると、2004年から2013年にかけて日本プロ野球における状況別の得点期待値は以下のようになっています。

鳥越規央「勝てる野球の統計学 セイバーメトリクス」

例えば、イニングのはじめである無死・走者なしでは得点期待値が0.455点となっています。
これは、イニングあたりの得点は平均して0.5点も入らないということになります。

さらに、基本的には各チーム9イニングずつ攻撃ができる(後攻では8回の場合もあり)ので、チームの得点期待値はおよそ0.455×9=4.095と類推できます。
チームの平均得点が4点というのは、体感的にも納得できるのではないでしょうか。

イニングの先頭打者の出塁率が重要

イニングは無死・走者なしで毎回始まりますが、先頭バッターが出塁するか否かで大きくその後の得点期待値が変わります

無死走者なしの場合は期待値は0.455ですが、無事にトップバッターが出塁すると期待値は0.821まで上がります。
逆にトップバッターが凡退してしまいますと、期待値は0.242まで下がってしまいます。

トップバッターの出塁次第でその回の得点期待値が大きく変わってしまうため、トップバッターが大事ということがわかると思います。

ここで重要なのは、出塁さえすれば安打でなくてもいいという点です。
以前の記事でも述べましたが、安打が多い選手は注目されますが、打率は高くなくても粘って四球を選ぶタイプの選手でも得点期待値は向上します。

上記の事実は当たり前のように見えますが、3割打者で四死球ゼロのバッターと、打率は0.250でも出塁率が3割ある打者は前者の方が高い年俸をもらうケースが多いでしょう。
今後は出塁率にもスポットライトが当たるかもしれません。
(余談ですが、個人的には阪神の鳥谷選手はもっと評価されていいと思います。)

無死満塁は点が入りにくいという格言はまやかし

勝てる野球の統計学 セイバーメトリクス」に書いてもありますが、野球には「無死満塁は点が入りにくい」という格言があります。

私も小さい頃、確かドカベンで読んだ記憶があります。
おぼろげながら、無死満塁は得点が入って当たり前だから打者も緊張する、一死満塁になるとゲッツーを恐れて更に萎縮し、二死満塁になると打者は平常心を保てないというような解説がされていたと思います。

確かに心理的にドカベンの解説ももっともらしいですが、表をみると無死満塁の得点期待値は2.200と最大になっています。
次に期待値が大きいのが一死満塁の1.541ですから、無死満塁の期待値の大きさがわかります。

もっとも、0点と大量得点の確率が高く、1~3点のような得点の確率が低いいびつな形の場合は、「無死満塁は0点で切り抜ける確率が高い」といえますが、おそらく現実的ではないでしょう。

まとめ

今回は野球の状況別得点期待値についてでした。

状況別の得点期待値とは、アウトカウントとランナーの組み合わせで、そのイニングの得点平均がわかるということです。

表のおおまかなイメージを掴んでいれば、この状況ではこのくらいの得点が期待できると推測ができ、観戦の幅が広がるでしょう。

鳥越 規央 (著), データスタジアム野球事業部 (著)